2010年01月12日

アウトドアアイテム おしゃれな日常を演出(産経新聞)

 アウトドア用の服や靴をおしゃれ着として楽しむ人が増えている。高機能で、奇抜すぎないデザインが人気。節約志向の高まりで実用性が重視されているのに加え、通勤着を含めた服装のカジュアル化も背景にありそうだ。(小川真由美)

 ◆不況に強く機能的

 昨年10月、東京・銀座に直営店を開いたスウェーデン発のフェールラーベン。平日は会社員やOL、週末は家族連れでにぎわう。客単価は2万円弱と高めだが、千葉県柏市の派遣社員の女性(41)は「家計が厳しいので長く着られる服はありがたい。アウトドア用品は欧米ブランドが多く、センスもいい」。

 コートはお尻が隠れる程度の着丈で、紫や鮮やかな青などが人気。防水加工や着脱可能な袖やファスナーなどアウトドア機能が満載だが、通勤から犬の散歩、ハイキングまでさまざまな場面で着るために購入する人が多いという。

 同ブランドを展開するSSKエンタープライズの二宮泰二社長は「衣料品はユニクロの独り勝ちだが、アウトドア用品は機能性が高いうえ、見た目もおしゃれで不況に強い」と話す。

 アウトドア用の靴を展開する米メレルは3年前、普段使いの需要を見込み、靴の構成をアウトドア用と普段用に分けた。顧客は30〜40代男性が全体の約7割だが、年々女性客も増加。立ち仕事の人や妊婦、医師などに愛用者が多い。

 ファー付きやカラフルな靴ひもなど、一見ファッションブランドの靴のようだが、部品に山登り用のクッションや断熱材を使用している。担当の今井宣一郎さんは「服装のカジュアル化で普段使いのハードルが下がっている」と話す。

 ◆人気の山スカート

 小田急百貨店では、山歩き用のスカートで野外トイレに便利な“山スカート”が人気。複数のブランドで展開するが、入荷と同時に完売してしまう勢いだ。一見、普通のスカートだが丈がひざより少し短いため、タイツやレッグウェアなどで個性を出しやすい点が受けている。スポーツ部の永田慶一部長代理は「人気女性誌が相次いで山歩きやキャンプでの着こなしを特集するなど、中高年の印象が強いアウトドアが若い世代に身近になっている」と分析する。

 伊勢丹新宿店では子供用も好調だ。移動教室や課外授業を機に、日常着としての愛用も多いという。子供用としては珍しいトレンカ(つま先とかかとの部分が露出したレギンスの一種)や、ひざ下丈のクライミングパンツなどを用意。鮮やかな色使いが多いコートなどと合わせやすいように配慮した。ベビー子供用品営業部の佐藤光司バイヤーは「放課後から登山まで子供のカジュアルスタイルは幅広く、服装も細分化している」と話している。

                   ◇

 ■背景に健康と節約志向

 矢野経済研究所によると、昨年のアウトドア用品市場は全体の約7割を占めるウエアとシューズが好調なことから、前年比2・8%増の1328億9000万円と予測。平成16年以降、スキー、スノーボード、テニス、武道が毎年前年割れの一方で、アウトドア用品は前年比2〜5%増と毎年伸びている。消費者の健康志向と節約志向から、ウオーキングやライトトレッキングを始める人が増えたことが背景にあるという。

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貧しい被告に裕福な裁判員は不利? 趣旨反する“裁判員外し”明らかに(産経新聞)

 大阪地裁(本庁)で昨年行われた裁判員裁判12件で、理由を示さずに裁判員候補者を外す「理由なき不選任」を上限まで使った弁護人が少なくとも5人に上ることが7日、各弁護人への取材で分かった。5人とも被告に不利と思われる候補者を外す目的があったという。理由なき不選任は公正な裁判の実施を狙いに導入されたが、いたずらな“門前払い”は国民参加を呼びかける裁判員制度の趣旨に反するとの指摘もあり、今後の課題になりそうだ。

 ■貧しい被告…“金持ち候補”を除外

 理由なき不選任は、出頭した裁判員候補者から裁判員や補充裁判員を選ぶ際、弁護側と検察側が特定の人物を除外できる制度。双方とも各4〜7人を請求でき、裁判所は請求があれば必ず不選任決定をしなければならない。

 大阪地裁で今年行われた裁判員裁判の主任弁護人12人に産経新聞が取材したところ、理由なき不選任を使ったのは8人で、使わなかったのは1人。3人は回答を拒否した。使った人のうち5人は限度いっぱいまで請求したと答えた。

 関係者によると、10月の裁判員裁判では選任手続きに出頭した候補者が40人弱だったのに対し、弁護側と検察側がいずれも理由なき不選任を最大限行使。この影響で抽選には20人程度しか残らなかった。

 ある弁護人は、貧しい被告と同年代で富裕層と思われる男性候補者を外した。温情に訴えるのが困難と判断したためで、「小さな“芽”かもしれないが、事前に摘んだことは無駄ではなかった」という。

 ほかには、感情移入しやすい被害者と近い年代や性別の候補者を避けた例が目立ち、面接で消極的な候補者を希望通り不選任にしたケースもみられた。ただ、別の弁護人は各候補者の年齢や職業を教えるよう裁判所に求めたが断られたといい、「結局は見た目だけで判断した」としている。

 逆に理由なき不選任をまったく使わなかった弁護人は「面接で偏見を感じなければ、弁護人が使う必要性はないのではないか」と話す。

 一方、最高検は不選任の基準について「検察側に有利か不利かでは考えていない」とし、被告や被害者と親しい可能性が高い人や、説明をまじめに聞かない人などを例に挙げている。

 ◆やむを得ない側面…ただ、議論は必要

 元裁判官で弁護士の青木孝之・駿河台大法科大学院教授(刑事法)の話「被告や被害者は嫌々やらされた裁判員に裁かれることを望まないだろう。そうした候補者を事前に除外するのはやむを得ない運用といえる。ただ、裁判員を全国民から選ぶという方法について、今後は議論の必要があるのではないか」

 【用語解説】理由なき不選任

 裁判員法36条は、検察側と弁護側の双方が理由を示さずに4人の裁判員候補者の不選任請求ができ、この場合、裁判所は不選任の決定をすると規定している。選ばれる補充裁判員の数によって上限は7人まで増える。出頭した裁判員候補者に対する裁判官の質問手続きに検察官と弁護人が立ち会って判断し、抽選前に申告する。不公平な裁判が行われないようにすることなどが目的だが、具体的な運用は当事者に委ねられている。

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